かんぴょう(干瓢)について

かんぴょう(干瓢)とは

ウリ科の植物であるユウガオの実(ふくべ)を皮をむくように細長く削り乾燥させたものです。収穫は6月下旬から8月下旬にかけて行われ、ユウガオの実を紐状に剥き、真夏の太陽熱にて2日間にわたり干し上げて生産します。栃木県の干瓢は、全国生産量の98%以上を占め、本県の代表的な特産物です。

かんぴょうの歴史

かんぴょうが栃木県に広まった背景には諸説ありますが、今から約300年前の1712年(聖徳2年)に、壬生藩主の鳥居忠英(とりいただてる)が近江国水口(現在の滋賀県甲賀市)から種子を取り寄せ、領内で栽培させたことが始まりと言われています。ここ、栃木県壬生町は火山灰土の関東ローム層で覆われているため保水性が高く、また、水はけもよいことがユウガオの生産に適しており、近辺の町村に広まっていったと考えられています。

ユウガオの実の収穫

6月下旬から8月下旬にかけて、ほぼ毎日収穫します。通常、7~8kgの玉を収穫していきます。

ユウガオの実の画像

かんぴょう剥き作業

専用の機械を使って、紐状に剥いていきます。剥いた後は、竹竿に干し2m前後に長さを揃えていきます。

かんぴょう剥きの様子 かんぴょうの長さを揃える画像

乾燥作業

紐状に剥いたユウガオの実をビニールハウスに入れ乾燥します。ビニールハウスの中は50℃以上の温度になります。

かんぴょう乾燥作業

燻蒸作業(保存料使用かんぴょうの場合)

保存料使用かんぴょうの場合、防虫・防カビを目的として、二酸化硫黄で燻蒸作業を行います。

硫黄燻蒸ハウスの画像 燻蒸作業の画像

干し上がり

ユウガオの実はほとんどが水分のため、干し上がると5%程度になります。保存料使用かんぴょうの場合は、防虫・防カビのため二酸化硫黄で燻蒸しており、副作用で白くなります。無添加かんぴょうの場合は、二酸化硫黄で燻蒸しないためかんぴょう本来の飴色をしています。無添加かんぴょうの場合、防虫・防カビ処理をしていないため、製品にする際は脱酸素材を入れています。

保存料使用かんぴょうの干し上がり状態

保存料使用かんぴょう

無添加かんぴょうの干し上がり状態

無添加かんぴょう

かんぴょうの効能

かんぴょうに含まれる食物繊維には体内のビフィズス菌を増やす働きがあるため、便通がよくなります。さらに、体内の不純物を放出してくれるため、大腸ガン予防や肥満予防、ダイエット効果も期待できるようです。

 

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